舌下免疫療法とは

舌下免疫療法

舌下免疫療法は、スギ花粉が原因の季節性アレルギー性鼻炎や、ダニ(ハウスダスト)が原因の通年性アレルギー性鼻炎でお悩みの方を対象として、アレルギー症状の改善を行っていく治療法の一つです。アレルギーの原因となっている物質から作られた錠剤を舌の裏側に少量ずつ置き、徐々にアレルギー反応を和らげていきます。

原因物質に対する症状を完全には抑えられなかったとしても、症状が軽くなったり、使用するお薬の量を減らせるなどの効果が期待できます。概ね2割の方はアレルギー疾患が完治、約6割は症状の軽減が見られます。但し、残りの2割の方に関しては、目立った効果は得られないと言われています。

アレルゲンの特定が必要です

舌下免疫療法を検討するときは、まず初めにアレルゲンの特定が必要となります。この検査により、スギ花粉症、またはダニアレルゲンによる通年性アレルギー性鼻炎と診断されたときは、保険診療にて舌下免疫療法を行なえます。

舌下免疫療法の主な効果

  • くしゃみ、鼻水・鼻づまりなどアレルギー症状の改善・緩和
  • 涙目や目のかゆみなど、アレルギーによる結膜炎の改善
  • アレルギー治療薬の減量
  • 生活の質(QOL)の改善

基本的な治療方法

舌下免疫療法の治療にあたっては、最初は1日1回、少量の服用から始めます。舌の裏側に治療薬を置き、1分間ほどかけてゆっくりと成分を吸収させていきます。服用した後は、しばらく飲食やうがいを控えます。

投薬を1週間ほど続けた段階で再び来院し、患者さまの状態を確認いたします。特に問題がなければお薬の量を増やし、定期的に治療を続けます。一般的には3年以上にわたって継続します。

副作用について

少量とはいえ、アレルゲンを投与いたしますので、いくつかの副作用が現れる可能性があります。まず、舌の下に治療薬を置くことで口内炎、舌下の腫れ、口腔内の痒みが出現することがあります。この他、唇の腫れ、喉の痒み、喉の刺激感・不快感、耳の痒み、頭痛なども代表的な副作用です。

また、重症の場合はアナフィラキシーショックを引き起こすことがあります。そのような症状が見られたときは、直ちに医療機関を受診してください。